どこの家庭でも「冷蔵庫開けたら何かある。」というのが、おなかがすいた時の頼みの綱だったりするのに、
ウチの子供たちは、「ウチの冷蔵庫には何もない。」とよくこぼしていました。
ウチの冷蔵庫は、右からでも左からでも開けれるのですが、いつもは左開きの扉を、たまに子供たちが右から開けるので、何をしているのかと尋ねると、
「反対から開けたら景色が違うけん、何かあるかと思って・・」
という可哀そうな子供たちでありました。
でも、私は、一週間に一度は調味料しかない状態になり、やたら明るくなった冷蔵庫内を、「美しい…」と呟きながら、うっとりと眺めるのが大好きなのであります。
先代の冷蔵庫は、15年ほどウチにいた働き者でした。
ある暑い夏の日、この暑さに耐えられなくなったのか、氷が作られなくなり、冷凍庫も非常にまずい状態になって参りました。
モーター音も明らかに夏バテのような状態です。
そこで仕方なく電気屋さんに行き、新しい冷蔵庫を注文して帰ってみると・・・
冷凍庫が復活している!
氷ができている!!
以前にもましてガンガン冷えている!!!
冷蔵室まで凍りそうなくらい冷えている!!!!
「僕は、めっちゃ元気です!!」
をアピールしているかのようなモーター音です。
これは一体(・・)
それから一週間、新しい冷蔵庫が来るまで、その元気っぷりは衰えることなかったのですが、もう注文してしまっていたし、いつ夏バテになるかわからないし、
取り換えに来た電気屋さんに、
「この冷蔵庫、冷えるようになったんですよぉ。」
と何度もつぶやき、
何度も「ごめんね。」を言い、
お別れの時は涙が出そうでした。
どう考えても、処分されることを察知し、まだ元気でいることをアピールしたとしか思えません。
冷蔵庫にも感情はあるのだと思わざるを得ませんでした。
たかが冷蔵庫と言われそうですが、しっかり感謝をしサヨナラをしました。
そういえば・・
今の冷蔵庫もそろそろ15歳くらいだわ・・
これから先代の時より暑い夏がやってきますが、
どうかどうか頑張ってください。
心より応援しております。